家族で話そう、お墓の未来。円満な「墓じまい」と「永代供養」のための、対話のヒント

ご自身の終活として、あるいは、ご両親が建てたお墓の将来を考えて。 「墓じまい」や「永代供養」という選択肢が、ふと心に浮かぶ瞬間があるかもしれません。

しかし、それはあなた一人の想いだけでなく、ご家族やご親族の想いも関わる大切な事柄。 「どう切り出せばいいのだろう…」 「反対されたらどうしよう…」 その難しさから、なかなか話を切り出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

兵庫県加西市の「周遍寺(しゅうへんじ)」は、長年にわたり、そうしたご家族の想いの架け橋となるお手伝いをしてまいりました。今回は、お墓の未来について、ご家族と円満に対話を進めるためのヒントをお届けします。

ヒント1:まず、あなたの素直な「気持ち」から伝える

対話を始める時、「お墓をなくしたい」という結論から入るのは避けましょう。それは、相手にとっては少し強く、寂しい言葉に聞こえてしまうかもしれません。 まずは、主語を「私」にして、あなたの偽らざる気持ちを伝えてみてください。

例えば、 「(大阪などの遠方に住んでいて)故郷のお墓になかなかお参りできず、ご先祖様に申し訳ない気持ちがずっと心にあるんだ」 「子どもたちには、お墓のことで将来負担をかけたくないと考えていて…」 「あなた(親)やご先祖様が、永代にわたって安らかに眠れる場所を、今のうちから確保しておきたいんだ」

このように、あなたの「愛情」や「責任感」からくる想いであることを伝えれば、ご家族もきっと真摯に耳を傾けてくれるはずです。

ヒント2:「一緒に学ぶ」という姿勢で、選択肢を共有する

あなたが一人で調べ上げた結論を「報告」するのではなく、ご家族を「相談相手」として、一緒に学ぶ姿勢を見せることが大切です。 「最近、『永代供養』という言葉を知ったんだけど、一緒にどんなものか調べてみない?」 「周遍寺というお寺のホームページに、色々な供養のかたちが載っていたから、今度見てみよう」

このように、共に情報を集め、共に考えるプロセスを経ることで、ご家族も当事者意識を持つことができます。「墓じまい」や、その後の「納骨」の方法も、お寺に相談すれば様々な選択肢があることを共有しましょう。

ヒント3:共通のゴールは「心のこもった、永代の供養」

ご家族の間で意見が分かれたとしても、おそらく根本にある想いは皆同じはずです。それは、「ご先祖様を大切に想い、安らかに眠ってほしい」という願い。

対立点は「手段(どう供養するか)」であって、「目的(なぜ供養するか)」ではないことを確認し合いましょう。 「お墓を守り続けること」だけが、唯一の正解ではありません。現代のライフスタイルに合わせ、管理の行き届いた永代供養墓で手厚く供養を続けることもまた、ご先祖様への想いをかたちにする、立派な方法です。

この共通のゴールを見失わなければ、きっとご家族にとって最善の道が見つかります。

お寺が、話し合いの場になることも

どうしても話がまとまらない時、周遍寺がお手伝いできることがあるかもしれません。 お寺という第三者を介することで、冷静に話ができる場合もあります。ご家族皆様でお越しいただき、ご相談いただくことも可能です。

周遍寺は、皆様のご家族が、未来への安心へと繋がる決断をされることを、心から応援しています。

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