一週間が終わり、静かな時間が流れる金曜の夜。 ふと、ご家族やご自身の将来について、考えを巡らせる方もいらっしゃるでしょう。その中で、「お墓」のことは、多くの人にとって大きく、そしてデリケートな問題です。
「永代供養や墓じまいを考えたいけれど、分からないことばかりで一歩が踏み出せない」
兵庫県加西市の「周遍寺(しゅうへんじ)」には、特に大阪をはじめとする都市部にお住まいの方々から、このようなお声と共に、多くのご質問が寄せられます。 今回は、その中でも特に多いご質問に、住職がお答えするかたちで皆様の疑問や不安を解消していきます。
Q1.「墓じまいをするのは、ご先祖様に申し訳ない気がします…」
A1. そのお気持ちは、ご先祖様を深く敬っているからこそ生まれる、尊いものです。しかし、どうかご自身を責めないでください。ご供養で最も大切なのは「かたち」よりも「心」です。管理が難しくなり、無縁になってしまうお墓よりも、お寺が責任をもって永代にわたりご供養を続ける永代供養墓のほうが、ご先祖様にとっても心安らかな環境と言えるのではないでしょうか。時代に合わせて供養のかたちを変えることは、ご先祖様への想いを未来へ繋ぐ、現代における誠実な選択です。
Q2.「永代供養にすると、ご遺骨は他の人と一緒にされてしまうのですか?」
A2. ご供養の方法は、一つではありません。周遍寺では、例えば「一定期間は個別の区画で安置し、その後、合祀墓(ごうしぼ)という共同の場所にお移しする」といったかたちや、その他の様々な形式をご用意しております。どの方法がご自身の心にしっくりくるか、それぞれの利点や違いを丁寧にご説明し、ご納得いただいた上で選んでいただけます。合祀された後も、お一人おひとりの魂を敬い、丁重にご供養を続けることに何ら変わりはございませんので、ご安心ください。
Q3.「大阪在住ですが、手続きは大変ですか?何度も通う必要がありますか?」
A3. ご安心ください。当山にご相談される方の多くが、大阪や神戸など、加西市外にお住まいの方です。最初のご相談はお電話でも結構ですし、手続きの多くは郵送でのやり取りも可能です。法要などでご来山いただく際も、皆様のご都合を最大限考慮して日程を調整いたします。遠方にお住まいの方のサポートには経験が豊富ですので、物理的な距離を心配なさる必要はありません。
Q4.「永代供養や納骨の後、お参りは自由にできますか?」
A4. もちろんです。むしろ、ぜひお参りにお越しください。永代供養墓は、皆様にとって新しい「お参りの場所」となります。お盆やお彼岸、故人様の命日、あるいは、ふと「会いたいな」と思われた時。いつでも開かれた時間にお越しいただき、穏やかな気持ちで手を合わせていただけます。お寺とのご縁が、そこで途切れることは決してありません。
■疑問が解ければ、心は晴れる
ここに挙げたのは、ほんの一例です。皆様の疑問や不安は、ご家庭の数だけ存在します。 周遍寺は、その一つひとつに、皆様と共に真摯に向き合いたいと考えています。
この問答が、皆様の心の曇りを少しでも晴らすきっかけとなれば幸いです。 そして、この会話の続きは、ぜひお寺でお聞かせください。